ブラックカードを解約しようと思う。さようならダイナースプレミアム。

年会費13万円のブラックカード。税込みで14万円を超える。いやこれはプラチナクラスだろうなんていう議論ももはやどうでもいい。本当にそんなことはもうどうでもいいのである。なぜなら私はこのカードを解約するから。楽しかったよ、ありがとう黒那須（ダイナースプレミアムの隠語らしい）。

なぜ解約しようと思ったか

これは簡単だ。続ける意志が無いからだ。ん、答えになってないじゃないか、禅問答でも始まるのか？と思った皆さんまあゆっくりしていってよ。お茶でも飲みながら一人のプレミアムホルダーが脱落する様を見守ってくれたまえ。脱落するのにこの上から目線、さすがである。
端的に言って辞める理由はただひとつ、金額に見合ってないと思ったから。シンプルなものだろう？やー高いよこれ。高すぎ。ありえない。少なくとも私にはね。

年会費とベネフィット

実際に使ってみて思ったのはやはり年会費とベネフィットが釣り合ってねーなと。

コンシェルジュ

無理やり使ってみたよ。大体さ、わざわざコンシェルジュに頼みたいことなんてそうそう無いのにだ。大抵のことは自分で調べられるしそもそも調べて欲しいことを説明してる時間のほうが無駄だ。デスクに電話してカードナンバーをプッシュして高級感を演出するためのクラシックのような待ち受け音楽を聴いてイライラしてる間にグーグル先生かsiriの方がちゃっちゃと回答をくれる。せめてホテル部屋からかける内線の様に受話器を上げてボタン一つ押したらすぐさま「◯◯様、いかがなされましたか」的なレスポンスだったらいいのに。まあ無理だよね。レストランの予約も自分でかけた方が早い。結論：私には必要無い。

ラウンジ

ダイナースプレミアムで入れる２つのラウンジに実際に行った。
　過去記事：ダイナースクラブ銀座ラウンジに行ってきた
　過去記事：D’sラウンジトーキョーに行って来た
その節は御馳走様でした。なんかね、あれば無理やり使うかもしれないけど無くてもなんら困らないよね。仮にラウンジが超絶お気に入りでも銀座ダイナースカードで良くね？ってなる。

プライオリティパス

作ってみた。
　過去記事：プライオリティパスが来た。これで世界中の空港ラウンジを使い放題
けど使ってない。使う人にはいいかもだけどもっと安く作れるとこはたくさんある。

バースデーギフト

もらってないからわからない。けどググってみた結果、んー、べつにいらない。ごめん。

ポイント２倍

これはまじですごい溜まったね。最高だよ。これ無かったらソッコー辞めてたわ。カード到着と同時に解約してたわ。まあ結局辞めるんだけどね。ごめん。ほんとごめん。
普通のダイナースカードとこれでいくら使ったら年会費分ペイした上で得になるか、損益分岐点の計算は面倒でしてないんだけど多分私の様な中流層はそこまで決済しないと思う。思う、なんて含みを持たせて若干かっこつけたけど私は実際そこまでお金使わない。ぶっちゃけもう中流かどうかも怪しいんだってば。全ては意味不明なインビのせい。

ステータスという幻想

ボードリヤール的に言うと、現代社会において我々は記号を消費している。同じような生地のポロシャツでもワニのマークが入ってる奴がいいし同じコーヒーでも緑の気持ち悪い顔が刻印されているやつがいい。同じ容量しか入らない財布でもLVっていうロゴの入った奴のほうがいいしパソコンはリンゴのマークが入ってなきゃいやだ。カードは金色のほうがかっこいい。や、黒かったらもっとかっこいい。うふふ、黒いカード持ってる自分かっこいい。超かっこいいしみんながすごいって言ってくれる。ちやほやちやほやしてくれる。よっ、この富裕層、故郷に錦飾ったね、ご利益ありそうだからウチの子の頭撫でてください、なんて言われちゃう。
やばいやばい妄想の世界に逃げてしまった。ええいままよ。つまりね、物には「機能」と「記号」があると。クレジットカードには決済するという「機能」があるわけだ。決済するためには別にどんなカードでもいいじゃん？楽天カードだろうがアメックスブラックだろうが目的は達成できるわけだ。いや、ダイナースプレミアムはポイントが２倍になるしそれは立派な「機能」じゃないか、という意見はごもっともですよ。でもね、この手のカードを所有する層という属性、つまり「記号」の方に我々はお金を払ってるんだよ。もっと言うとだ、仮にこのカードとまるっきり同じベネフィットで同じ金額の誰も知らないカードがあったとしてそれに14万円払うかと。多分かなりそれは厳しいと思う。となるとやはりダイナースブラックは社会的信用が高い、と思い込んでるからこの額を払えるということだ。思い込んでるっていうのは自虐でもジョークでもなくてとても重要で、このカードの社会的信用が高いという事実を知らない人にとってはブラックカードなんて印籠に成り得ないのである。葵の御紋を誰も知らなかったら水戸黄門は普通に撲殺されるよねって話(ひどい)。
私が比較的若いってのもあって周りは全くこのカードを知らない（なんならアメックスゴールドの方が食いつくんじゃね？）。いやそれお前の周りが無知なだけだよ、と果たして言えるだろうか？必死になってカードの色やランクを気にする方がコンプレックスと言えないだろうか？そもそもカードの色ってそんな重要だろうか？いちクレジットカードファンである私はこの自問に自信を持って答えられない。
ステータスっていう不可視な事象にお金を払うのはもうね、たぶん道楽ですよ。きっと浪費ですよ。趣味の領域ですよ。だからべつに持ってる人は否定しない。私もこの素晴らしき趣味にお金払ったんだし。ただ私にはその趣味をずっと続けられる握力が無かった。だから脱落するんだ。あーお金ほしー。だれかちょうだい。

おわりに

まあいろいろぐだぐだ語ったけどさ、普通にお金の無駄だと思ったんだわ。（ブラックカードホルダーの方々から見れば）たかだか14万が払えないなーと思ったの。それだけ。飛ぶ鳥が跡を濁しまくってるってのはわかってるんだけど一応記事にしていち抜けたことを記しておかないとっていういらぬ使命感にかられたわけさ。さもなきゃ「最近どう？ブラックカードは相変わらずホログラんでるかい？」なんて声かけられても「あーそういやさー今年はフジロックどうする行っとく？」てな具合に話逸らしちゃうしさ。
でもほんとこれだけは言わせて欲しい、なんで私なんかにインビ送ってきたの？
どう考えても自分がプレミアムに相応しいとは思えないんだよね。仮にだよ、仮に私に相応しいんだとしたらダイナースプレミアムなんてまじで大したこと無いよ。←みたいなことをこうやってブログに書かれることをCCJは想定してインビ配布やったの？ステータス欲しい層を釣って一時的に収益上がったとしても長期的に見てデメリットしかないと思うんだけどなー。カード事業売っぱらうからなりふり構ってないのかな？一番割りを食ったのは本当にステータスのある旧来のホルダーさんだよね。同情するわ。

そんなわけでさようならブラックカード。またいつか、は多分ないだろうからさようなら。年会費ずっと半額にしてくれるなら考え直してやってもいいぞ。