BABYMETAL WORLD TOUR 2014@幕張:アリーナCの悲劇

音楽

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BABYMETALって知ってますか?知らない人は覚えといて下さい。知ってる人はキツネサインをかざして下さい。すげー乱暴に説明すると3人組のヘビメタアイドルです。演奏は日本でも屈指のテクニシャン達がバックバンドしてるのでライブは最高です。詳しくは映像でも見て下さい。そしたら私が駄文を長々と書くよりも一発で伝わるでしょう。そのライブに行って来た話だお。

私とベビーベタル

実はこの子達ずっと追いかけてます。最近は全くアイドルなんか興味ない様な知り合いが唐突に話題にしたり、結構知られて来たなあと感じるんだけども私が知った頃はほとんど世間はこの子達にノーマークでした。メジャーデビューすらしておらず、なんか知る人ぞ知るって感じでした。べ、別に古参アピールじゃないんだからねっ。古参だから偉いなんてこれっぽっちも思ってません。

幕張に参戦することになった経緯

まあほとんどのライブは参戦してるんですけどね。ただね、世界ツアーの日本公演が幕張だと知った時、私は絶望しました。なんとその日は前々から絶対に外せない予定が入っていたのです。ファンクラブ(の様なもの)から申し込める先行チケットも泣く泣くスルーしました。追加公演が決定し二日間になったなんていう嬉しい知らせも私には響きませんでした。人生はなんと無情なんだろう。
と思ったらなんとか13日だけスケジュールが調整できそうになった。普段の行いの賜物です。ギリギリでしたがなんとかチケットを手配しました。すると何やら不思議な表記が…なんだろこれ、『アリーナC』って書いてある。調べてみるとアリーナAやアリーナBが2000番台とかまであって、アリーナCは200番台くらいまでしかないぽい。なんだろう、これはどういうことなんだろう。一番前がAでその後ろがB、さらにその後ろがCか?にしても割合がなんかおかしい。もしやこれってなんか特別な席?期待と不安が半々に押し寄せる。去年の幕張は私はスタンドだったのでアリーナ事情がよくわからない。誰か教えて下さいと思ったが当日の奇跡にかけてみることにした。
思い起こされるのはあのライブの一件。今年行われたベビメタ武道館でのことだ。私はアリーナEというなんだか期待の持てないチケットを持っていざ会場に行ってみたらそこそこいい場所だったのである。しかもそのブロックのドセン最前。やべーあの時の成功体験がフラッシュバックする。でもあれはセンターステージだったからだよな。幕張でセンターステージは無いよなー多分。

いざ幕張。道中は勿論ベビメタを聞きながら

いい天気です。幕張に行く時は基本的にバイクです。東京からだと国道357号を真っすぐ行ってればなんとなくその辺に着いてます。てか基本電車嫌いなんだよね。京葉線だとディズニー組なんかとバッティングすること必至なのでもう最悪。自分がディズニー行く時は幕張メッセ組がイラつくのでなんとも人は自分勝手ですよね。全く。
で357を意気揚々と幕張方面に進んでると青看板にすげえ地名を発見。『鉄鋼団地』て書いてある。やべえ超メタルだ。タイムリーにも程がある。メタラーはここに住んだらいいと思った本気で。
幕張行く時は大体途中のIKEAでホットドックを食べるというのが私の定番である、という明日使えない無駄知識を読者に押し付けながらなかなかライブの模様をお伝えしない拙ブログ。どうぞ怒らず最後までお付き合いください。

幕張に到着。黒い集団がいる

どうせアリーナCだから入場最後だろ?ってことで会場ギリギリに着くようにIKEAでどう考えてもおまえの部屋にはいらねーだろっていうソファとか見て時間調整してたんだけど裏目に出た。着いたらもう真っ黒い集団が塊になって整列してる。メタルTに身を包んだなんかやらかしそうな怪しい集団がきっちり整列しているという様がシュールです。私もその塊の一部になろうと自分の並ぶ場所を探していると衝撃の事実が。なんとA、B、C同時入場だった。Cの200番台の私はちょうど呼ばれてた辺りだったので慌てて滑り込む。これはもしやひょっとしたら前の方行けるんじゃ無いか?とわくわくしながら早歩きでアリーナへと向かう。

世界よ、これがアリーナCだ

Cブロックの案内表示をつたってその場所に着いた。そこを見た瞬間私は膝から崩れ落ちた。アリーナの、再後方の、PA横、上手側の隔離された小さなスペース、それがアリーナCだった。神よ、これが約束の地か。
なんだか笑えて来た。人は予想を超える事態に想像すると笑うものだということを身を以て体験した。知人が、ボーナス2.5ヶ月分だと聞いていたのになぜか14000円だった時給与明細見て思わず笑っちったよと居酒屋で得意げにのたまっていたが彼は本当にその時笑ったんだろう。あの時心の中で蔑んでごめんね。
AブロックやBブロックの人達はCを哀れむように見ながら通り過ぎて行く。なあおまえら、優越感に浸ってんだろ?Cじゃなくて良かったなーって思ってんだろ?…被害妄想ここに極まれり。

ライブが始まる。アリーナCの闘いが始まるのだ

開演前にSEメタリカのマスターオブパペッツでみんな盛り上がってるけどアリーナCはそういうの無いから。マスター、マスターって拳を掲げたらCの中で浮いたからちょっと自重した。おい頑張れよC負けんなよC頼むよ。
オープニング映像が始まった。アリーナCの奴らも段々気持ちが昂ってきたようだ。全てのメタルは日本に通ず、みたいなお決まりのリップサービスにもノリノリだ。
一曲目、Babymetal Deathで3人登場。神バンドの演奏も決まってるぜ。みんな、すげー遠いけど見えてるよっ(モニターでだけど)。
もうね、Cという狭いブロックの中では前方も後方も大して変わらないから一番後ろの柵あたりに私は陣取りましたよ。最後方ブロックの、一番後ろですよ。文字通りのビハインドですよ。上等。くっそ盛り上げてやんぜと声を嗄らして応援する。ただでさえ狭いブロックなのに後ろはすかすかなのでもうね、人にぶつかることなんて無いのよ。ベビメタのライブでアリーナなのに人に触れなかったのって始めてだなあと思いながら思い切り踊り叫ぶ。ポジティブに考えたら周りに迷惑かかんないから最高じゃん。普段できないフリコピなんかもしちゃう。良い歳してミドルティーン(しかも美少女達)と同じ動きをしている私、怖い。映像収録で抜かれたらどうしよう、でもねーよなCブロックだし(自嘲)とか思いながらドキドキモーニングの最後の敬礼ポーズを完璧にキメる。皇居に向かって礼、ステージに向かって敬礼である。
途中、ちょっと気付いたことがあった。個人的な印象だが、冷静に周りを見るとなんか始めてベビメタのライブに来ました的な人が多い気が。なるほどそれも頷ける。もうBABYMETALの知名度はデビュー当時のそれとは違うのだ。噂のベビメタ、ちょっと見に来ました的な人が増えても不思議ではない。ここは私が頑張らなくては、と勝手な使命感に突き動かされ益々その空回りは混迷を極めるのである。
よんよん!と周りで誰も叫ばない中孤軍奮闘する私。インディーズの頃のTシャツとタオルを身に纏った私はここで手を抜いてはいけないのだ。頑張れC超頑張れ。

アリーナCのプライドを見せたwall of death

隔離された残念なスペース、アリーナCブロックが意地を見せたのは最後の曲だった。いつも必ずと言っていいほど締めにやる、メジャーデビュー曲「イジメ、ダメ、ゼッタイ」。この曲のイントロではこれまたお決まりのwall of deathをやるという不文律がある。なにそれ知らねーって人にものすごくざっくり説明すると、観客がモーセの十戒よろしく二手に分かれてその二つの人の壁同士がが思いきり走ってぶつかり合うという愚行もしくは蛮行である。馬鹿でしょ?だがそれがいいんですよ。マジでやったら流血不可避、これぞロックこれぞメタル。さてそんなwall of deathがこのアリーナC(笑)では行われるのだろうかと思っていたんだけれども…なんと、この可哀想なCの人々は、やりやがった。観客を真ん中から切り裂いてwall of deathをやりやがったのだ。ここに私はアリーナCの意地を見た気がする。ぶっちゃけしょぼかったけど。多分両サイドに避けてただけなんだけど。
こうしてライブは終わった。乙。まじで乙。

おわりに

もし仮にだよ、また幕張メッセイベントホールでBABYMETALがライブやるとしてさ、アリーナC引いちゃった時はさ、普段とは違う楽しみ方をすればいいと思うな。ポジティブに考えてさ。っていう身も蓋も無いアドバイスしか出来ないほどある意味面白かったアリーナCを私は忘れません。これでも同じ値段なんだぜ?嘘みたいだろ?

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