BABYMETALの限定イベント。SU-METAL聖誕祭、APOCRYPHA-S@豊洲PIT

babymetal 豊洲ピット apocrypha 召喚状 音楽

BABYMETALの限定イベントであるAPOCRYPHA-Sに行って参りました。

ハードルの高い選民イベント

今回のイベントはいわゆるメタルネームを持つ者しか応募できない上にさらに顔写真認証のために応募段階で自らの顔を登録しなきゃいけないというハードルの高さ故に本当にレアなイベントになったと思う。オークションで購入することも実質上不可能な為にチケットの当落の一喜一憂具合がかつて無い感じがしたね。ま、当選したんだけどね。普段聖人のような行いをしている私への神からのギフトだと思った。心が綺麗すぎてたまに周囲に引かれる私はきっとこの国にいろんな幸運をもたらしているんだと思う。だってさ、私がどれだけ綺麗な心を持っているかというと(いいから本題に行けよっていう突っ込みに安易に耳を貸さない私はやはり自己中心的なのかもしれない)。

チケット?そんなものは無い。召喚状だ

紙チケットとか無いから。スマホの画面上に表示される召喚状っての見せるだけだから。これね。
babymetal_apocrypha_s_召喚状
中央のQRコード読み込んだらきっと私の顔写真が出てくるんだと思う。ちなみに見ての通り2000番台だから。私よりも普段の行いが良いかもしくはもの凄くイケカワな人が2000人はいるのかあ。世の中広いなあ。

いざ会場へ。はじめて行く豊洲PIT

雨だよ雨。寒さに身を縮めながら豊洲駅から歩く。結構遠い。なんかさ、湾岸の埋め立て地区って個人的に気持ち悪いんだよね。何も無い所に無理矢理陸地を拵えてさ。人の生きて来た歴史の積み重ねみたいなものが欠落してる場所っていうかさ。江戸時代とかここ何が有ったのよ。どうせ海だったんだろ。…あれ?なんの話だっけ?ああそうだ豊洲PITね。
豊洲駅からゆりかもめを横目に歩くこと10数分、豊洲PITに到着した。
babymetal_apocrypha_s_su_metal_聖誕祭
外はすっかり暗くなっていて、これからフロントマンにしてメタルクイーンの聖誕祭だっつーのになんだかどんよりしている。これは間違いなく雨と寒さのせい。しょうがない。
2000番台なんだからきっちりオープン時間に行かなくてもいいじゃんね、と思ったのはまあ結果論でしかなくて、つまりまあ入場まで1時間近く待たされたんだけど本当に寒くて死ぬかと思った。雪山か冬の豊洲か、って同じ俎上に乗るんじゃねーかってくらいやばかった。顔認証に時間がかかってたんだろう。写真盛り過ぎて実物となかなか照会できなかったとか?や、私は盛ってないからね全然。さぞ気の抜けた顔をしていたと思う。見返したくない。

やっと入場。

入場するともう会場内のロッカーはほぼ埋まっていてピンチ。ドリンクなんて終演後でいいや、ってかこの凍死しそうな身体にコールドドリンク飲んだら多分他界する。ちなみに豊洲PITではドリンク代の内50円を東北に寄付するんだってさ。あーあまた徳を積んじゃったよ、と思いながらフロアにダッシュ。整理番号による仕切は無し。気力と体力のあるやつはいくらでも前に行けちゃう仕様だ。勿論前の方に陣取るよね。前回の幕張でアリーナCっていう屈辱を味わったからな(BABYMETAL WORLD TOUR 2014@幕張:アリーナCの悲劇)。開演が近付き高まる期待。SEは今回古めだったよね。NWOBMらへんとか。開演に先立つ注意事項として、モッシュやダイブ等の行為はやめてね(意訳)みたいなことがアナウンスされてるがあれはどう捉えればいいのだろう。押すなよ、絶対押すなよという意味で後は察しろということなのだろうか。そんな感じでまあ大体想像通りに、時間は押してライブはスタートした。

本人達登場前に割と長めの映像

ソニスフィアやモントリオール、NYとイギリスの単独公演などの海外でのライブ映像が流される。散々youtubeとかで見ていたライブだったけどこうして爆音で流されると臨場感が増すね。個人的ヒットはIDZでダッシュしてるYUIMOAがステージの端まで走った所で靴の底で滑りながらスピードを殺してたところ。和んだ。
新曲のシンガロング部分も割と長めにフィーチャーされてたんだけど後でおまえらこれ歌えよっていう伏線にも思えた(実際後で演奏した)。

BABYMETAL登場、ライブ本編

映像を映していた巨大な白い幕が開け、BABYMETAL DEATHから本編ライブは始まった。びっくりするくらいメンバー達が近い。初めての箱だったのでどんな具合か読めなかった音のバランスも良い。個人的にサウンドシステムは優秀だと思った(後で知ったが豊洲PITの卓は今は無き渋谷AXのをを持って来たものらしい)。
ドキドキモーニングで会場が一体になったところで何のアナウンスも無しにいきなり新曲が投下された。MAD系デジロックを思わせるサウンド(ギミチョコの成功を受けての上田氏再登板なのか?違う人ならそれはそれですごい)にかわいい要素満載のそれはベビメタにしかできねーなこんな曲と感心させられた。と、今だからこんな冷静に書いてるけど演奏中はもう「うぎゃー新曲だーひゃっほー」的なリアクションで盛り上がってるだけだった私。頭上で輪っかをつくるような振付けが印象的だったな。
新曲後メンバーがはけた後おねだり大作戦のイントロが鳴り出す。するとまさかのSU-METALがパーカーを来て登場(一応言っておくとこれはYUIMETALとMOAMETAL二人のための曲だ)。どう聴いたってリンプとしか思えないニューメタル然としたミクスチャーの楽曲にSU-METALというのは今までの既成概念(まあベビメタの場合この四字熟語は壊す為にあるんだけどね)から言って意外性十分。SUにはどっちかってーと様式美が似合う、と勝手に思ってるから尚更だね。いやあレアなもの見れた。
神バンドのインプロ的セッションを挟んでからのCatch me if you canに続いて、extendされたイントロの紅月をSU-METALが情感たっぷりに歌い上げた(今回「あかつきだー」って叫ばなかったよね?)。ヘドバンギャー、ギミチョコと定番チューンですっかり会場は温まったところで(いや前方過ぎてむしろ暑かった)三人がフラッグを構えた。あ、あれが来る、THE ONE(仮称。はやく名前知りたい)だ。

新曲・THE ONE(仮)

まさかのロンドンで初披露され日本人がyoutubeのファンカムによってその全貌を知るという皮肉な逆転現象を発生させたメタルレジスタンス第三章の幕開けを告げる大作である。ドラゴンフォースのメンバーが参加したその曲はメロのクサさとシンガロングが特徴的だが特筆すべきは実は歌詞だったりする。やや乱暴に言ってしまうとベビーメタルの歌詞には意味が無い。とりわけメッセージ性の強いと思われがちなイジメ、ダメ、ゼッタイでさえあれはネタと考えるのが正しい見方だろう。他に例を挙げるとギミチョコなんてものは意味の無い歌詞の最たるものだ。掛け合いで歌わされるパートは「ちぇけらちょこれーとちょこれーとちょっちょっちょ」である。だから悪いかというと全くそうではなくて、それがベビメタの良さだったりする。非言語的になって行くほど世界で受け入れられるからだというこじつけもあながち無関係ではないだろう。
そんな状況からのこの新曲。はじめてベビメタが歌詞を意図的に「使って」きたと思った(BABYMETAL DEATHもメタソングだがあれは単なる自己紹介)。一人称が何故「僕」なのかと考えればそれは自明だ。サビの最後で「僕らのレジスタンス」と歌われるこの曲。僕ら、というのは紛れも無いファン達であり、メンバー達であり、スタッフ達であり、BABYMETALを取り巻く人々のことだろう。なのでこの曲をはじめて聴いたとき、まあ聞き取れない箇所もそれなりにあるのだが、あーついにこの系統が来たか、と思ったものだ。いよいよアジって来やがった。
今までメタルレジスタンスというものは紙芝居の中のストーリーであり、楽曲は楽曲として独立していた。今回の新曲ではついに楽曲と物語がリンクしたのである。旗を掲げる少女達はドラクロワの女神(coldplayのviva da vidaとかDragonAshのviva la〜のジャケットって言ったらわかりやすいかな?)のようでありまさに民衆を先導し煽動していく存在になったのだなと思った。今回のライブでは紙芝居が無かったという理由も相まって、まるで彼女達が紙芝居の物語の世界から現実世界に飛び出して来た存在の様にも見えた。

まさかのアンコール無し

新曲THE ONE(仮)を終えるとSEE YOUの挨拶と共にメンバーと神バンドが退場した(ドラムの神の投げたスティックが私の頭上を通り過ぎた。キャッチ失敗)。さーてアンコールに向けて息を整えようかと思ったらなんとすぐに客電が点いた。え、アンコールは?無いの?アンコールを求める手拍子と散発的に発生してはかき消されるハッピーバースデーとアンコール無しなのっていうざわめきとで会場が超カオスだよー。すると「本日の講演は以上で〜」というアナウンス(通称死の宣告)が流れてライブは終了した。大多数の人は「え、もう終わりなの?」と思っただろう。いや私も思ったよ。だってBABYMETALってアンコールあるのが普通だったもんね。
そこまでのライブ内容が良かっただけにこれには若干面食らってしまった。渋々会場を後にせざるを得ないって言う感じの人が多かった様に見えた。なんとなく。んんんもっと聴きたかったなー。
数えてみると全9曲。前方で間近でメンバーを見れたし圧縮の為に体力消耗してた私にとってはまあ短くてもいいとして、後方で見ていた人達にはちょっと不満が残るかもしれないなと思ったり。てか今までフェスや前座以外でアンコール無かったことあったっけ?APOCRYPHAのYとMも曲数は少なかったけどあれは2回まわしだからしょうがないかーと思えたけど今回は1回だしなあ。THE ONE(仮)をアンコールにしてたら不満も多少は和らいだのかな…と思ったり。ま、限定イベントの指標が出来つつあるっていう感じに捉えておこう。

APOCRYPHA-S セットリスト

1.BABYMETAL DEATH
2.ドキドキモーニング
3.新曲(タイトル不明)
4.おねだり大作戦 feat.SU-METAL
5.Catch me if you can
6.紅月
7.ヘドバンギャー
8.ギミチョコ
9.THE ONE(仮)

おわりに

聖誕祭って公式が言ってた割にはそういや生誕要素ほとんどなかったなーと。まあAPOCRYPHAのYとM考えたら一応バランスは取れてたのかな。少ない国内ライブが増える貴重な機会にはなっているのはありがたいけどもう聖誕祭って言うのやめればいいのにって個人的には思ったかな。この規模の箱で見られるってだけで限定ライブの恩恵は受けてる訳だしそれで十分かなあと。
とはいえだ。顔認証導入したりオペレーションの面でごたごたとかあるかもしれないけどさ、ここまで世界で成功しつつあるアイドル(というかプロジェクト?)って前例がないから運営には頑張ってほしいなといちファンの立場から勝手に思ってる(なかなか舵取りは難しいと思うけど)。色んな意見があっても良い意味で耳を貸さずに自由にやってもらいたいものだ。いずれにせよメタルレジスタンス第三章には目が離せない。
あ、急にライブ終わったから言いそびれてたんだった…SU-METAL誕生日おめでとう。

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